キリスト教式といわれてイメージするシーンの一つに花婿のもとに到着した花嫁のベールをそっとあげる儀式『ベールアップ』を思い浮かべる方も多いのではないのでしょうか?
ベールによって守られた花嫁のベールをあげられるのは花婿だけでベールを上げることにより花嫁を守るものは何もなくなりますのでその代わりとなり「これからは僕が守ります。」と花婿が花嫁を守るという決意もこめられるものです。また、ベールアップすることよりふたりを遮るものが何もなくなります。
「これから先は何も隠すことなく幸せな家庭を築いていきます」そんな決意も込められているんです。
ベールアップは「レイズベール」とも呼ばれています。キリスト教式では指輪の交換までの花嫁の顔はベールで覆われています。指輪の交換が終わったら花婿は花嫁のベールをあげて誓いのキスです。
美しいベールアップの作法と誓いのキスの話。
1. たかがベールアップ。されどベールアップ
挙式中、花婿がウェディング姿の花嫁にさりげなく手をさしだしてエスコートする姿は優しさが伝わってきてかっこいいもの。挙式の参列者は祭壇のお二人に注目です。
指輪の交換をしたらいよいよベールアップ。誓いのキスの前にスマートに美しくベールアップをしてもらいステキな瞬間を残しましょう。
「ベールアップ」は簡単そうですが結婚式ですから美しくスマートに決めたいもの。当日のためにこっそり練習しましょう。
1-1. ベールアップの方法
- 花婿は片足一歩踏み出して花嫁に近づきます。
2. 肩幅くらいに両手を広げて、ベールの内側に親指がくるようにしてベールの端を軽くつまむように持ちます
3. ベールの端を持ち、ベールの中に風を入れるイメージで花嫁の額まで一気に上げます。そうすればベールがシワシワになったり、折れ曲がったりしません。
4. 花嫁の頭上を通ってゆっくり弧を描くように向こう側へ下ろしていきます。
花嫁はベールが上がり始めると同時に、視線が花婿の胸の高さにくるくらいまで腰を落とし祈るように首を軽く 曲げましょう。あくまでも背筋はピンと伸ばしておくことが大事。背中を丸めてしまうと、お尻が突き出てかっこ悪いのでNGです。
5. 花婿はベールを反対側へおろすとき最後に手の平が上になるようにするとベールの端もきれいにおろしやすいです。
花嫁はベールを背中へ下ろすタイミングに合わせて、ゆっくり姿勢を元にもどします。
6. もしもベールの裾が折れていたらきれいにのばします。
7. 花嫁の肩よりも前にベールがかかっていたら、ベールを肩より向こうへやって、お顔がよく見えるように
8. 誓いのキスのときは花嫁の両肩ちょっと下あたりに手を添えてます。
2. 誓いのキスの意味
ベールアップの後は「誓いのキス」になります。
人前でキスをする習慣のない日本人は「さぁ、どうぞ」のような雰囲気を与えられ、そのまま向き合うとどうしても照れてしまったり、ニヤニヤしてしまいがち。
厳かで神聖な場をして爽やかに美しく決めたいですね。誓いのキスは、その直前に交わした誓いの言葉を、お互いに封印して守っていこうと言う意味があり、キリスト教の挙式上では正式には口と口のキスになるそうです。
ただ、キリスト教式や人前式での誓いのキスを拒む人も多いらしく、誓いのキスに変わる演出をするカップルもいます。
2-1. どこにキスするか、どちらに顔を傾けるか事前にしっかりと確認を
花婿が花嫁の肘に手を添えたら、顔を少し上げ、彼のリードに任せてキス。ふたりの距離が離れていたら、“タコチュー”になるのを避けるためにも花婿に一歩前へ出てもらいましょう。
花婿が片足の足先ををドレスの中に入れ込むようにすれば近づけます。花嫁は動きません。
花嫁の手はお腹の辺りで軽く手をポージングがきれいです。
直前であたふたしないように、あらかじめキスをする場所を決めておいたほうがいいでしょう。また、顔をどちらに傾けるかも事前に確認して。
2-2. 誓いのキスをする場所
恥ずかしさのあまり、頬にキス。ということもありますが、実はキスはする場所に意味があります。
これを知ると例えば映画のワンシーンで騎士が女王様の手の上にキスをしているシーンの意味が納得できます。
とはいえ、あまり気がのらないのに「やらなきゃいけない」モードになると誰のためのセレモニーかわからなくなってきますので最終的にはやはりふたりの判断になります。
手の上:尊敬のキス
額の上:友情のキス・両親からは愛の表現
頬の上:厚意のキス・親友からの愛の表現
唇の上:愛情のキス・愛する人への愛の表現
瞼の上:憧憬のキス
掌の上:懇願のキス
腕の首:欲望のキス
2-3. 美しく見せるためのコツ
ベールアップからの誓いのキスを美しく見せるために花嫁が心がけたいことがあります。
「決して自分から動かないこと」です。花婿が最大限に緊張をするシーンでもありますからそれを理解してさしあげあくまで花婿を急がせるような動きはしないで静かに彼のリードに任せて静かに待つことが大切です。
キスをしている時間ですが写真のことを考え3秒から5秒ぐらいは体勢をキープしておきましょう。
3. まとめ
スマートなベールアップに絵になるような誓いのキス。挙式の中の2コマですが参列者の注目を浴びるのでお二人にとってはとても緊張すると思います。
「こうしなければいけない」というものはないですので花婿は焦らず花嫁を優しく丁寧に扱うという気持ちで接するとそれなりに見えます。花嫁はゆっくりと静かに立ち振る舞いをされると優雅に見えます。
少しの意識で変わりますので全ては「綺麗な写真を残す」ことに集中してトライしてみてください。そうすれば知っているひとにキスを見られているという緊張も和らぎます。