二人の結婚が決まったらどうするか決めないといけないのが結納。自分たちは形式ばったものは不要と考えていてもお互いのご両親の意見もあります。
結納はこれから家族になる家同士が初めて正式に顔をあわせる機会なので、双方の親御さんの気持ちもくみつつ、両家でしっかり話し合ってゆきましょう。
さらに結納は価値観や考えたかの違いが出やすい場面になります。お互いの意向を尊重しながら日時や場所、仲人の有無についてもよく話し合う必要があります。
今後の家族間のおつきあいも最初が肝心です。気持ちよく今後の結婚準備が進むように段取りよくゆきたいものです。
1. 結納の準備
結納を行うにあたって準備するものは4つです。《結納品・婚約記念品・お金・場所》になります。
2. 結納品
結納の考え方も結納品の品目や飾り方、進め方にも地域によって違いがあります。
大きくは「関東式」と「関西式」に分かれます。結納のスタイルは地域によって様々。両家のどちらに合わせるかを話し合います。
2-1. 関東式の結納
地域・・・・北海道・東北・関東地方・新潟・長野・静岡など
関東式では女の立場を同格とみなして男女双方で結納品を交換するのが一般的です。
結納を行うことを「結納を交わす」といいます。結納金については女性が男性からもらった半額程度を「御袴料」として送る習慣があります。
2-1-1. 関東式の正式な9品目
9品目が正式。基本的に全ての結納品を一つの台に載せます。シンプルにつくられているのが特徴です。
そのほか7品目、5品目、3品目でも構わないです。
1:目録(もくろく)
結納品の品名と数を列記したもの
2:長熨斗(ながのし)
あわびの肉を干して長く伸ばしたもの(長寿の象徴)
3:金宝包(きんぽうづつみ)
結納金を包んだもの
4:末広(すえひろ)
純白の扇子(「純粋無垢」「末広がり」の意)
5:友志良賀(ともしらが)
白い麻糸(「ともに白髪になるまで仲睦むつまじく」の意)
6:子生婦(こんぶ)
昆布昆布(「子宝に恵まれる」の意)
7:寿留米(するめ)
するめ(長期保存できることから「幾久しく」の願いを込めて)
8:勝男節(かつおぶし)
鰹節(男性のたくましさの象徴)
9:家内喜多留(やなぎだる)
柳の木でできた酒樽(「たくさんの福があるように」と願いを込めて
※白木の台の上に飾る
(結納品の並べ方に決まりはありません)
7品目:目録、長熨斗、金宝包、寿留米、子生婦、友志良賀、末広
5品目:目録、長熨斗、金宝包、友志良賀、末広
3品目:目録、長熨斗、金宝包
2-2. 関西式の結納
地域・・・・関西・北富山・石川・福井・東海・中国・四国地方など
結納は男性から女性へ送るものという考え方があり、結納品は男性から女性へ送るものとされています。ですので、関西では結納を行うことを「結納を納める」といいます。
関東では結納金の半額を「御袴料」として返す習慣がありますが関西より西の地域では半返しをしないのが一般的です。ただし、女性は後日に結納金の1割を程度を家族のお土産として持参するようです。
2-2-1. 関西式の正式な9品目
関西でも9品目が正式ですが5品目、7品目でもよく、地域によっては11から21品目までかざるところもあります。一品ずつ一つの台に載せて飾りが豪華です。松竹梅や金屏風などでかざるのが一般的です。
1:子生婦(こんぶ)昆布
(「子宝に恵まれる」の意)
2:優美和または結美和(ゆびわ)
婚約指輪
3:寿留女(するめ)
するめ(長期保存できることから「幾久しく」の願いを込めて)
4:長熨斗(ながのし)
鶴飾り
5:高砂人形(たかさごにんぎょう)
翁(おきな)と姥(うば)の人形
6:寿恵広(すえひろ)
純白の扇子(「純粋無垢」「末広がり」の意)
7:松魚料(まつうおりょう)
または勝男節(かつおぶし)亀飾り
8:柳樽料(やなぎだるりょう)
竹飾り(結納品の1割程度)
9:小袖料または御帯料(結納金)
松飾り
3. 婚約記念品
女性は男性より婚約指輪を頂くことが多いです。
結納よりも先に指輪を頂いてる場合、男性側からいうと指輪を女性に渡している場合は改めて婚約記念品を準備する必要はなく、結納の日に女性は指輪をはめて目録に列記するだけでも構わないですし、結納の儀式のために一旦男性に戻して他の結納品と一緒に贈り直してもらっても良いと言われています。
女性が男性に送る記念品は腕時計やカフス、スーツが人気のようです。
4. 結納の受け渡しに必要な書類
「目録・受書」「家族書」「親族書」の両家で取り交わすのが正式です。
4-1. 目録
目録とは送る品目や数量を明記したものです。
目録には「右之通り幾久しく敷目(芽)出度く御受納くささい」と書き添えます。
4-2. 受書
受書は結納品を領収した証になります。結納品を両家で交換する場合は受書も両家で取り交わすことになります。最近では省略することも多いようです。
関東式では受け書は白地に墨で表書きしたシンプルなものが一般的です。
関西式では表書はなく、奉書紙の色が緑色が男性用、赤色が女性用になっています。関西では女性側は結納品を贈りませんので受書は女性側のみの準備になります。
目録と受書の内容の記入は同じにすること。品目は当て字を使うので間違いが起こらないように注意です。
最後には「幾久しく敷目(芽)出度く受納致しました」と書き添えます。
4-3. 家族書・親族書
家族書には家族の名前と本人の続柄を記入し、結納品と一緒に交換します。同じ戸籍の家族の名前と本人からみた続柄、最後に自分の名前を記入します。正式には奉書紙に毛筆で書いたものです。
5. 結納金
結納金に決まった金額はなく、結婚する本人の収入や貯蓄に応じて、もしくは両親の支援をうけて結納金を用意することがあります。
目安は男性のお給料の2~3ヶ月分と言われますが金額が相手の気持ちではないので両家が納得する金額を検討することが大切です。
5-1. 結納金のお返しは?
関東では「半返し」といい、贈られた金額の半額を現金で返すことが多いのですが、結納金のお返しをする風習はある地域とない地域があります。
関西では有能の後日、「一割返し」と言って結納金の一割を返す地域もありますし、結納金で新生活の家具や電化製品を揃えて嫁入りの際に持参するような形をとる場合もあり、地域によって様々のようです。
6. 結納の場所
昔は結納の場所は女性宅が一般的ですが、最近の結納はホテルや式場、料亭、レストランを会場にすることがふえているようです。結納のあと、祝膳を用意して宴席を設けることができます。
会場選びのポイントとして両家の中間地点にあたる都市で行ったり、交通の便がよく、双方の家から訪れやすい場所が良いです。
また、ある程度格式があるところで、結納品の交換をスムーズにするための広さのある個室があるところを選びます。
そして、結納の儀式に関して経験豊富なスタッフがいてくれるとサービスが行き届き安心です。
6-1. 結納時の費用は?
女性宅ではなく、ホテルや料亭などの会場で結納を行った場合、会場使用料や食事代がかかります。その費用は両家で折半することが多いです。
折半の仕方は男性側が「家内喜多留(やなぎだる)」の金包みに「御酒肴料」として費用の一部を包むか、あるいは別途祝儀袋に「御酒肴料」を包んで渡し、受けとった女性側がまとめて会計をする方法があるようです。
7. まとめ
結納は昔からの日本の風習。若い人からすると形式張って面倒に思う人も多いとか。しかし、ご両親や親族の年配の方は昔からの婚礼の儀式なので若い人の感覚で軽率に排除してしまうと双方のご両親の感情を無視することになります。
結納は正式な婚約の儀式。結婚は二人だけのものではなく、両家とのつながりなのでよく話し合って納得のする形にしましょう。
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